
シェア畑って本当に料金が高いの?



地代だけじゃなく総額だといくらになるの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
「シェア畑は高い?」の答えは「総額の出し方次第」です。
地代だけで比べると高く見えますが、初期の道具・水場・アドバイスが含まれるため、初心者の失敗コストが下がります。
本記事では「総額の出し方」を具体例で示し、初年度と2年目の違い、地域・区画サイズによるブレ、そして実践的な節約術までを一気に整理します。
最後に、同日見学の回し方とチェックリストも載せます。
- 料金判断は「地代」ではなく「総額」。初年度は道具購入で上振れ、2年目は下がる。
- 比較式:総額=地代+資材(月換算)+交通費+必要なら代行。目安は総額が地代×1.3〜1.5。
- 見学は三候補を同日で回し、「距離×月額×ルール×駐車動線」で減点法。


シェア畑の料金は「総額の出し方」で変わる


シェア畑は、地代だけを見ると市民農園より高く見えます。
しかし、多くの園では入会時から「水場・道具・資材置き・アドバイス」まで揃っており、初心者がつまずきやすい初期投資ややり直しの手戻りを減らせます。
結果的に「最初の1年を短期間で形にしやすい」ため、トータルの満足度や時間コストで逆転するケースも少なくありません。
判断は単純な月額比較ではなく、「総額」で行いましょう。
比較の出発点は三つです。
- 片道30分以内の候補で並べる、
- 総額=〈地代+資材(月換算)+交通費+必要なら代行〉で同条件比較、
- 見学は三候補を同日に回し「駐車動線」「ルール適合」「水場・園路の使い勝手」を10分で確認。
ここまで揃えば、迷いはほぼ消えます。地代が同水準なら設備と相談体制、遠い園が安くても交通費がかさむなら距離を詰める。
こうした減点法が、続けやすさに直結します。
シェア畑 上野毛(世田谷区)は2ウネ9,900円/月・3ウネ13,400円/月・入会金11,000円の例があります。
園により価格・区画・サービスは異なるため、必ず該当園の料金ページを確認してください(出典:シェア畑 上野毛 料金)。
総額の出し方:シェア畑は初年度と2年目でこう変わる


項目定義と注意点(まずはここから)
- 総額の式:地代(管理費込み)+資材(月換算)+交通費(ガソリン等)+必要なら代行・オプション。
- 資材(月換算)の考え方:初年度は用意が多く月1,000〜2,000円、2年目は消耗品中心で月500〜1,000円が目安。
- 交通費の即算:片道km × 2 × 月往復回数 × ガソリン単価 ÷ 実燃費。往復回数は「週何回×4週」でざっくりOK。
- 代行・オプション:耕うん、草刈り、水やり、追加区画など。使う月だけ発生するため「月平均」に割ると実感値に近づく。
- 判断の目安:総額が地代の1.3〜1.5倍以内に収まると無理が少ない(距離が近いほど続けやすい)。
初年度と2年目の違い(どこが下がる?)
変動するのは主に資材費と交通費です。
初年度は支柱・マルチ・ネット・培土などの初期購入が重なり上振れしがち。
2年目は流用できる道具が増え、消耗品と苗代が中心になるため月500〜1,000円程度まで下がります。
交通費は「通う頻度」でブレます。
春の植え付け・夏の水やりで回数が増えるなら、混む時間帯を避けて一筆書きルートにし、往復回数を圧縮すると総額が安定します。
シミュレーションA:都心近郊(区画小・設備充実)
- 前提:地代9,900円/月、入会金11,000円(初年度のみ)、資材月換算1,200円。
- 距離と頻度:片道6km・週1往復・燃費14km/L・ガソリン170円/L → 交通費約550円/月。
- 初年度の月平均:地代9,900+資材1,200+交通費550+入会金の月割り(11,000÷12≒920)=約12,600円。
- 2年目の月平均:地代9,900+資材700(下振れ想定)+交通費550=約11,100円。
- ポイント:入会金は年割で考えると判断がぶれない。資材は2年目に下がるので、初年度だけ高く見えても総額では接近する。
シミュレーションB:郊外(区画やや広・車前提)
- 前提:地代6,600円/月、運営費11,000円/年(=月約920円)、資材月換算1,200円。
- 距離と頻度:片道12km・週1往復・燃費14km/L・ガソリン170円/L → 交通費約1,100円/月。
- 初年度の月平均:地代6,600+運営費920+資材1,200+交通費1,100=約9,800円。
- 2年目の月平均:地代6,600+運営費920+資材700+交通費1,100=約9,300円。
- ポイント:郊外は地代が抑えめでも交通費が効いてくる。頻度を週1.5往復→週1往復に抑えるだけで年額の差が出る。
頻度別のブレを先に見込む(週1/週2/休耕月)
- 週1往復(目安):春・秋の作業が詰まる時期は「買い出し同日」を徹底して回数を増やさない。
- 週2往復:交通費は単純に約2倍。総額が上限を超えるなら距離の近い園への乗換えも検討。
- 休耕月(真夏や真冬に1〜2か月ゆるめる):交通費が下がるので年平均では平準化される。年額換算で比較するのがコツ。
代行・オプション費の扱い(月平均に均す)
耕うん・畝立て・草刈り・水やりなどをスポットで使うと、特定月だけ総額が跳ね上がります。
判断を誤らないために「年間の利用回数×単価÷12」で月平均に均して計上しましょう。
使わない見込みなら0円でOK。
迷う場合は「猛暑期だけ水やり代行」「繁忙期だけ草刈り」を前提に、年2〜3回分で仮置きすると現実的です。
クイック目安と落とし穴
- クイック目安:総額≒地代×1.3〜1.5。地代が高めでも距離が近い園は「時間と交通費」を圧縮できて続けやすい。
- 落とし穴1:地代だけ安い園を選び、往復40分×週2で交通費が逆転する。
- 落とし穴2:初年度に道具を買い過ぎて、結局使わない。シェア畑は道具込みなので「買い足しは現地で必要になってから」にする。
- 落とし穴3:雨後のぬかるみで園路が使いづらくなり、滞在が長引いて往復回数が増える。見学時に足元と排水を確認。
そのまま使える計算メモ(コピペ用テンプレ)
地代(管理費込み):____円/月
資材(月換算):初年度____円/月、2年目____円/月
距離:片道__km/通園頻度:週__回 → 交通費(月)= 片道km×2×(週回数×4)×ガソリン単価÷燃費 = ____円
代行・オプション(月平均):____円(年合計÷12)
総額(初年度):地代+資材+交通費+代行 = ____円/月
総額(2年目):地代+資材(軽減)+交通費+代行 = ____円/月
次に読むと理解が深まります


シェア畑の地域差と区画サイズの影響(実例とレンジ)


私設レンタル農園の価格感(園による違い)
私設レンタル農園(シェア畑など)は、都市部ほど地代が高く、郊外ほど区画が広くなる傾向があります。
都市部は「小区画+設備とサポートが厚い」、郊外は「中〜大区画+車前提で通いやすさが鍵」という配分です。
料金ページの数字だけでなく、含まれるもの(道具・肥料・水場・アドバイス・イベント・資材置き)を並べて見ると、実際のコスパが掴みやすくなります。
- 都市部:月額は高めだが、道具一式・資材・相談体制が整い、初年度の手戻りが少ない。
- 郊外:地代は抑えめで区画広め。交通費の影響が大きいため、片道30分ルールと一筆書き動線で通園回数を圧縮。
- 同額なら「近い×使いやすい」方が総額も時間も得。遠くて安い園は交通費と移動時間で逆転しやすい。
市民農園の年額レンジと注意点
- 市民農園は年額が抑えめですが、道具・資材・資材置きなどは自前対応が基本です。
- 自治体ごとの募集時期(多くは3〜4月)や抽選/先着の違い、園ごとの細則(支柱やネットの規格、施肥ルール、水やり時間)に差が大きい点に注意。
- 総額は〈地代+資材月換算+交通費〉で年平均に均して比較します。
区画サイズが費用と作業に与える影響(簡易早見)
| 目安の区画 | マルチ必要長(概算) | 支柱本数(概算) | 作業時間の体感 |
|---|---|---|---|
| 10㎡(小) | 畝2本×6m=約12m | 短尺20〜30本 | 週1〜1.5往復で維持可 |
| 20㎡(中) | 畝3本×7m=約21m | 短尺40〜50本 | 週1.5往復。夏は草対策が鍵 |
| 30㎡(大) | 畝4本×8m=約32m | 短尺60〜80本 | 週2往復寄り。家族運用向き |
広い区画は単位面積あたりの地代が下がる一方、資材費と作業時間が増えます。
例えば「遠方で月2,000円安い園」に乗り換える場合でも、往復距離が8km増えて週1往復なら、交通費はおよそ+800円/月前後。差引きで得でも、移動時間の増加が継続性を下げることがあります。
費用と時間の両面で判断しましょう。
シェア畑での節約術:交通費・資材・時間のムダを減らす


距離最適化と一筆書き動線(交通費と時間を同時に下げる)
- 出発時刻を平日17:00/土曜10:00に設定して地図試算。渋滞込みの「片道30分以内」を守る。
- 自宅→農園→ホームセンター→直売所→自宅を一筆書きに。買い出しを同日に統合して往復回数を増やさない。
- 水やり頻度はマルチ+通路の防草で減らせる。園のルール内でホース延長が可能かも確認。
- 真夏・真冬は「休耕月」を作り、年平均で交通費を平準化するのも有効。
初年度の買い過ぎ防止と共同購入(資材コストを削る)
- スターターは最小構成で開始。支柱・ネット・マルチは「必要になった列」から順次追加する。
- 種は分け合うと無駄が減る(1袋で十分なことが多い)。苗は旬に合わせて小分け購入。
- 土・堆肥・マルチは近隣区画と共同購入で単価を下げる。園に直送できるか確認。
- シェア畑は道具込み。市民農園は貸出の有無・資材置きスペースを見学時にチェック。
時間の節約:現地10分チェックで“やり直し”を減らす
- 駐車→区画→水場→資材置きの順で導線を確認。荷下ろし20m以内なら運用が安定。
- 午後の影と風の抜け、雨翌日の排水を必ず見る。草が伸びやすい通路は防草を早めに。
- 管理人の在園時間と連絡手段(掲示・LINE・電話)を確認。困った時の相談チャネルを確保。
シェア畑の同日見学テンプレとチェックリスト


三候補は「自宅から近い順」に並べ、午前2件→昼に買い出し→午後1件の一筆書きで回します。
出発時刻を平日17:00/土曜10:00に設定して渋滞込みの所要を確認し、駐車→区画→水場→資材置きの導線を10分でチェックします。
連絡テンプレ(電話/フォーム)
電話: 「〇月〇日(〇)に見学希望です。所要時間と駐車場所、当日の持ち物を教えてください。仮押さえが可能なら期限も確認したいです。」
フォーム: 「〇月〇日(〇)午前/午後の見学希望。大人◯名・子ども◯名・車◯台。駐車位置と所要、仮押さえ可否と期限をご教示ください。」
当日のタイムライン(例)
| 時刻 | 行程 | メモ |
|---|---|---|
| 09:30 | A園 見学(10〜15分) | 駐車→区画→水場→資材置きの順でチェック |
| 11:00 | B園 見学(10〜15分) | 午後の影・風・排水も確認 |
| 12:00 | ホームセンター/直売所 | 買い出し位置をルートに組み込む |
| 13:30 | C園 見学(10〜15分) | 仮押さえ可否と期限を確認 |
現地チェックリスト(10分で可否)
- 駐車位置と出入り:入出庫しやすいか。荷下ろし→区画が20m以内だと運用が安定。
- 園路と足元:通路幅1.2m以上(台車可)/段差や泥濘の有無。雨翌日の排水も想定。
- 水場・ホース:蛇口数と届く範囲、共有ルール、足元が水たまりにならないか。
- 資材置き:置ける場所とサイズ、屋根の有無。野ざらしの場合の簡易収納可否。
- 日当たり・風:午後の影と風の抜け。夏場の逃げ場(日陰)があるか。
- ルール・連絡:掲示板/注意書き/管理人の在園時間。緊急時の連絡手段。
その場で減点法(迷ったらこれ)
- 距離:片道30分以内◎/31〜40分△(週1なら可)/41分〜×。
- 総額:地代×1.3〜1.5以内◎。超えるなら距離短縮か区画縮小を検討。
- ルール:資材置き・支柱規格・水やり時間が合うか。NGが2項目以上で除外。
- 駐車動線:右折進入連続/路上待機/長距離バックが常態なら除外候補。
シェア畑であると便利なアイテム


初回の見学からすぐ使える「あると便利」アイテムを厳選しました。
手袋や帽子などの身の回り品に加え、剪定はさみや折りたたみバケツなど、最小限あれば安心なものだけを載せています。
シェア畑でよくある質問(FAQ)


- シェア畑は本当に高い?
-
地代だけだと高く見えますが、道具・水場・アドバイス等が含まれる園が多く、初年度の失敗コストを抑えられます。総額で比べるのが正解です。
- 総額の簡易計算法は?
-
総額=地代+資材(月換算)+交通費+必要なら代行。
資材は初年度1,000〜2,000円、2年目は500〜1,000円が目安で、交通費は「片道km×2×月往復回数×ガソリン単価÷燃費」。
- どの時期に空きが出やすい?
-
民間は春・秋に動きが出やすく、市民農園は3〜4月の年度切替が本線。
並走でチェックするのが最短です。
- 家族連れで注意する点は?
-
園路幅と水場の安全、駐車動線の交差を確認して下さい。
午前見学で混雑と高温を避けると安心です。
- 途中解約はできる?
-
シェア畑は短期プランや途中解約制度がある園もあるようです。
市民農園は年度契約が多く中途解約が難しい場合がありますので、事前に規約を確認しましょう。
シェア畑は総額で考え、近さで整える


本記事で重要なことをまとめると以下の通りです。
- 結局のところ、続けやすさは「総額」と「距離」で決まります。
- 初年度は学習コスト込みで少し高く見えても、2年目からは維持コストに移り下がります。
- 片道30分以内・三候補の同日比較・10分チェックの三点を守れば、迷わず進めます。
最新情報と見学予約は公式サイトから確認して下さい。




